令和SFは天国2.0!漫画『天国2.0』のネタバレありのあらすじと漫画紹介&考察

死んだらどこへ行くんだろう? 誰もが一度は考えたことのある問いに、もし「天国」がバージョンアップしていたら? SF界に新風を巻き起こす話題作、漫画『天国2.0』が描くのは、そんな衝撃的な世界観です。
『天国2.0』は、裏サンデーで連載中のSFバトル漫画で、マンガワンでも読むことができます。

ただのバトル漫画にとどまらず、テクノロジーや倫理、そして人間性そのものに鋭く切り込んでいきます。この記事では、ネタバレありのあらすじや漫画紹介に加え、物語の考察もあわせて解説していきます。

引用:マンガワン公式サイト

『天国2.0』漫画紹介

親父・ケンジと2人で暮らしている少女・みのり。ある日、怪しげな男にカセットテープレコーダーを渡されたみのりはテープを再生後に世界が止まってしまい…。
陰謀論に取り憑かれたダメ親父・ケンジとフードデリバリーの仕事をしている送る少女・みねりが、冗談で願った父親の救済をきっかけに、デジタル死後世界「天国2.0」へと巻き込まれていく物語です。

漫画『天国2.0』は、GANTZのような死後世界を舞台にしたバトル要素や、チェンソーマンのようなシュールなノリ、ダンダダンのような独特の雰囲気を持ち合わせています。これらの要素が融合し、独自のデジタル仮想空間の世界観がみどころです。

参考元:漫画『天国2.0』第一巻
参考元:漫画『天国2.0』第一巻

漫画『天国2.0』あらすじ

みねりは、陰謀論に傾倒する父親との変わらない日常に閉塞感を抱えていた。フードデリバリーの仕事をしていたある日、怪しげな男に思わず冗談半分で口にした言葉「父親を救ってほしい」が、想像もしなかった形で現実化してしまう。
謎の人物から届いた「天国2.0」への招待は、ただの偶然ではなく、デジタル死後世界の入り口を開くことに…。気づけばみねりは、時が止まったかのような不気味で美しい仮想世界に足を踏み入れていた…。

参考元:漫画『天国2.0』第一巻

「天国2.0」とは、死後の世界をデジタル化し、人間の脳内にあるメモリを物理化し支配される仮想空間。しかし、みねりが辿り着いたのは、時が止まった世界で、エンゼルと呼ばれる存在との死闘が繰り広げられる場所だった…。この仮想世界では、歪んだ欲望を持つ者たちが「欲」にまみれた戦いを繰り広げ、願いを叶えるために戦っている。
欲望が形となり、願いを叶えようとする者たちが戦いを繰り広げています。個々の欲望は歪んでおり、善意だけではなく、自己中心的な願いや嫉妬、復讐心なども混ざり合い、世界は常に「欲」にまみれた混沌状態に。
みねりは自分の願い、つまり父親を救いたいという純粋な思いを抱えながら、エンゼルたちとの戦いに巻き込まれていく———。

参考元:漫画『天国2.0』第一巻
参考元:漫画『天国2.0』第一巻

漫画『天国2.0』のみどころ

『天国2.0』で描かれるのは、「欲望」と「願い」の交錯

登場人物たちは、それぞれが抱える強い願いを叶えるために戦い、時には他者を犠牲にすることもいとわない世界に放り込まれます。この世界では、善悪の境界があいまいで、単純な正義や悪の価値観だけでは測れないバトルが展開されます。
みねりは、父親を救いたいという純粋な願いから「天国2.0」に足を踏み入れます。しかしそこで出会うのは、歪んだ欲望を持つ者たちと、時に人の能力を超えた力を持つエンゼルです。
彼女は戦いを通じて、単に願いを叶えるだけでなく、自分自身の意思や感情、欲望の本質と向き合うことになります。

生と死の境界を問いかけるデジタル死後世界

また、本作は死後の世界をデジタル化した仮想空間「天国2.0」を通じて、「生」と「死」の境界を問いかけます。たとえば、みねりや他のキャラクターは肉体を失った意識だけの存在として戦いに参加し、現実ではあり得ない状況下で命の価値や生きる意味を試されます。
仮想空間の中では、欲望に突き動かされた者たちが互いに命を奪い合い、時には味方ですら疑わなければならない場面が訪れるため、戦いは単なるバトルではなく心理戦・道徳的判断の連続の場面がみどころです。

キャラクター紹介

参考元:漫画『天国2.0』みねり
  • みねり
    本作の主人公。陰謀論に取り憑かれた父親との日常に閉塞感を抱え、冗談で父親を救ってほしいと願ったことがきっかけで「天国2.0」に巻き込まれる。
参考元:漫画『天国2.0』父親ケンジ
  • 父親・ケンジ
    陰謀論に強く傾倒しており、現実世界における常識や倫理感から逸脱しがちな人物。みねりにとっては愛情のある父親であると同時に、日常の重荷や閉塞感の源でもある。家賃を稼ごうとするが、みねりのことを頼り、みねりのフードデリバリーで稼いだお金までも使ってしまう。
参考元:漫画『天国2.0』エンゼル
  • エンゼルたち
    「天国2.0」の世界でみねりが出会う、多種多様な能力を持つ存在たち。中には友好的な者もいれば、攻撃的で手強い者もいる。彼らとの出会いや戦いを通じて、みねりは自分自身の能力や判断力を試され、バトルをすることで父親を救えるのではと信じて、エンゼルたちの戦いに望む。

漫画『天国2.0』作風とビジュアル

作風とビジュアル作画は、リアルとファンタジーが融合した独特のスタイルが特徴です。仮想空間「天国2.0」の描写は、現実世界とは異なる不気味なエンゼルと呼ばれるキャラクターや歪んだ形状での仮想空間が、読者に異次元かつ異様な世界観を強く印象づけます。
また、キャラクターの表情や動きも細かく描かれており、恐怖や混乱、緊張といった感情の揺れがリアルに伝わる作りになっています。読者は、現実と虚構が交錯する中で、常に張り詰めた空気を感じながら物語に引き込まれるでしょう。

著者Mangax(マンガックス)の漫画『天国2.0』読んでみた感想と考察

漫画『天国2.0』は、非現実的な仮想空間で繰り広げられる奇妙かつ不気味なビジュアルのキャラクターたちと、主人公みねりとのバトルが大きな魅力となっています。また、仲間たちが人間としての欲望を抱えながら生活し、その延長でバトルに参加していく姿には、人間性が垣間見え、独特でゲームのような世界観が広がっています。

さらに、人間の脳内の記憶をカセットテープで管理し、テープを入手するために’戦うというユニークなバトルや、「エンゼル」と呼ばれる奇妙な存在の登場によって、仮想空間は一層異様で魅力的に描かれています。「天国2.0」がゲームの世界と人間の世界、その狭間にあるような舞台は、従来のSF漫画にはない新鮮さを感じさせる見どころのひとつです。

漫画『天国2.0』は、現在も連載が続いており、新たな謎やキャラクターが登場しています。特に、みねりが「天国2.0」の世界でどのように成長し、父親・ケンジを救えるのかが注目です。

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