夏の夜、静かな部屋でページをめくると、背筋が凍るような恐怖が襲ってくる———。
そんな体験を求めるあなたに贈る、最新&定番ホラー漫画の保存版ガイドです。今回は、心の底から震える恐怖と、日常に潜む異常を描いたおすすめのジャパニーズホラー漫画15作品を厳選しました。
『こわいやさん』や『カラダ探し』などの話題作から、『うずまき』『富江』などの不朽の名作まで、幅広いラインナップをカバー。心理的恐怖、都市伝説、怪異、サバイバルホラーまで、多彩なジャンルの恐怖を体験できます。読めば思わず夜道が怖くなるかもしれませんが、それこそがジャパニーズホラー漫画の醍醐味。
この記事では、各作品のあらすじや見どころ、魅力をお届けします。初めてジャパニーズホラー漫画を読む人も、ジャパニーズホラー好きのあなたも、次に読む一冊がきっと見つかります。おすすめのホラー漫画15作品をご紹介します。
1位:こわいやさん
=あらすじ=
どうぶつ村に引っ越してきた「かえるくん」。ある日、村を歩いていると、かわいらしい見た目のうさぎさんが営む店「こわいやさん」に誘われ、その店主から渡されたのは、グロテスクな顔が描かれた「こわい箱」。箱を開くと、かえるくんの目の前で怪談の世界へと変わる——。
その店は“怖い話”を買い取り、客が体験した恐怖や都市伝説をひとつずつ聞いていく…。
語られる話は、学校での怪異や家庭内での異変、ネットで広まった噂など…。話の中には、人の悪意が引き起こしたものや、説明のつかない現象も。
=漫画紹介=
可愛らしいキャラクターと本格的な恐怖演出とのギャップがクセになり、気づけば物語に引き込まれてしまうのが魅力。2025年8月4日には単行本第1巻も発売され、SNSやレビューで「夜に読むとゾクゾクする」と話題沸騰中。
今もっとも注目されているジャパニーズホラー作品のひとつです。
今読むべきジャパニーズホラー漫画は『こわいやさん』──ジャパニーズホラーブームとともに知る『こわいやさん』の魅力にも、こわいやさんの魅力を詳しく解説しています!

2位:カラダ探し
「デスゲーム×ループ×怪異」という三要素を組み合わせた人気ホラー。
=あらすじ=
高校生の明日香とその仲間たちは、ある日、赤い少女から「カラダを探して」と謎めいた依頼を受ける。翌日、彼らは学校に閉じ込められ、死体の一部を見つけることで生き延びる恐怖のゲームに巻き込まれる———。
捕まれば惨殺され、翌日には同じ日がループするという絶望的状況に追い込まれ、仲間たちは次第に疑心暗鬼に陥っていく。日常の延長線上に潜む不可解な怪異が次々と襲いかかり、極限状態のサバイバルが始まる…。
=漫画紹介=
漫画『カラダ探し』は、現代日本の高校を舞台にしたデスゲーム型ホラーとして人気を博した作品。特徴的なのは、日常空間で繰り広げられる非日常の恐怖と、心理的な緊張感。学校という身近な舞台が、読者に「自分も巻き込まれるかもしれない」という臨場感を与え、恐怖体験をよりリアルに感じさせます。
仲間の裏切りや怪異の恐怖が同時に迫り、緊迫感が途切れなくなります。学園を舞台にしたため身近でリアルに感じられ、ページをめくる手が止まらなくなる恐怖体験を味わえます。
オリジナルはWeb連載で話題となり、その後書籍化・アニメ化もされ、多くの若年層に支持されている。実写映画化もされ若者を中心に話題に。

3位:うずまき
逃れられない呪い、ねじれ狂う日常の圧倒的な不条理ホラーを描き出す、漫画『うずまき』。
=あらすじ=
呪われた土地・黒渦町に住む女子高生・五島桐絵(ごしま きりえ)とその恋人・秀一の周囲で、町全体を覆う禍々しいうずまきにまつわる惨劇や怪奇現象が発生。人の身体が異様にねじれたり、カタツムリに人が変身するなどの不可解な現象が次々と起こり、住民たちは不可解な現象に巻き込まれていく…。
台風や渦巻く風が町に吸い寄せられるなど、自然現象すら異常化。日常的な生活の中で突如として現れる恐怖は、町の住民たちの心にも深く浸透し、狂気や不安、理性を失いながらも”うず”の正体を追おうとする。しかし、呪いの中心にある真実が何なのかは謎に包まれ、逃れられない運命に引きずり込まれる———。
=漫画紹介=
漫画『うずまき』は伊藤潤二の代表作にして、海外でも高く評価される日本ホラー漫画のひとつです。日常の延長線上に潜む異形と不条理を極限まで拡張し、読者に圧倒的な心理的恐怖を与える。”うず”の寄生の奇妙さをを建物、髪、身体、自然現象にまで脅かすことで、町全体がまるで生き物のように異様化し、恐怖を生み出します。
読む者は、呪われた町で繰り広げられる異常現象を通じて、日常の安心感が崩壊する恐怖と向き合うことになり、単なる怪異物語以上の体験を得られます。
漫画『うずまき』は、心理的恐怖、不可解な現象、人間ドラマが融合した、ホラー漫画の傑作です。

4位:富江
漫画『富江』は、不死の美少女に「人間はなぜ彼女に惹かれるのか」という心理的恐怖が描かれた、ホラー史に残る不朽の名作漫画。
=あらすじ=
川上富江(かわかみ とみえ)は、長い黒髪、妖しげな目つき、左目の泣きぼくろが印象的な、美貌を持った少女。性格は傲慢で身勝手、自身の美貌を鼻にかけ、言い寄る男たちを女王様気取りで下僕のようにあしらう。だが、彼女の”魔性とも言える魅力”を目にした男たちは皆、魅せられてゆく———。
やがて、富江に恋する男たちは、彼女に「異常な殺意」を抱き始める。ある者は富江を他の男に渡さず自分が独占したいため、ある者は富江の高慢な性格に挑発され、ある者は富江の存在の恐怖に駆られ、彼女を殺害する…。彼女は一度死んでも再起し、周囲の人々の心を狂わせる力を持つ。高校生や大人たち、友人や恋人でさえ、富江の魅力と不可解な存在に翻弄され、嫉妬や欲望、執着心に支配される。
恋愛感情や嫉妬が暴走し、次第に殺人や破滅が連鎖的に発生…。人々は富江を消そうと試みるが、その度に新たな富江が現れてしまう———。
=漫画紹介=
漫画『富江』の富江という女性は、外見の美しさと異常な存在感により、周囲の人間の理性を破壊する象徴として描かれ、読者は単に恐怖を味わうだけでなく、人間の本性や心理的脆弱性、嫉妬や欲望が引き起こす破滅的な連鎖を目撃することになります。
読み進めるたびに「彼女が再び現れるかもしれない」という不安が読者に付きまとい、ページをめくる手を止められなくなります。
漫画『富江』は、単なる恐ホラー漫画ではなく、美と狂気、そして永遠に続く呪いを描いたホラー漫画の代表作です。美少女という外見に秘められた恐怖の力、そしてそれに翻弄される人間の業の深さを見たいという読者にとって必読です。

5位:見える子ちゃん
漫画『見える子ちゃん』はWeb連載から人気が爆発し、アニメ化、映画化もされた話題作の漫画。恐怖とコメディ要素を両立させる物語は、新しい日常系ホラー漫画です。
=あらすじ=
普通の女子高生・四谷みこはある日突然、周囲の人には見えない「幽霊」が見えてしまう体質になってしまう。
日常生活の中に突如現れるおぞましい存在に怯えながらも、「見えていないフリ」を貫くことで、命を守ろうとするみこ。ヤツらに見えていることを悟られないよう、平常心を装い、やり過ごすが、所構わず現れるヤツらに困惑し、泣きそうになるほど怖がる———。
一時はヤツらからの防御力として市販の数珠を購入して身につけたが、思うような効果は現れず、さらに強力な数珠を求めてゴッドマザーの店を訪れ、店で一番強力な数珠をもらったが、渡された直後に壊れてしまう…。
学校や日常生活の中で次々と現れる幽霊たちは、個性的で奇妙、時には凶暴で恐ろしい存在ばかり。最初はただの恐怖体験に過ぎなかったが、幽霊たちの奇行や悪意が日常に侵食していくにつれ、みこの精神は徐々に追い詰められていく…。
=漫画紹介=
漫画『見える子ちゃん』は、現代日本を舞台にした日常ホラー+コメディ作品として大きな話題に。
絵柄は可愛らしくコミカルでありながら、怪異の描写は本格的で読者に強烈なインパクトを与える、恐怖と笑いが絶妙に混ざり合った新感覚のホラーとして、ホラーが苦手な人でも手に取りやすいのが魅力です。
幽霊のビジュアルや怪奇現象の描写は、ホラーとしての緊張感をしっかり維持しつつ、作者の泉朝樹によるテンポの良いギャグと組み合わされ、独特の読後感を生む。高校生活という身近な舞台が、幽霊の非日常性を際立たせ、読者に「自分の周りにも潜んでいるかも」という臨場感を与えます。
また、作画面でも幽霊の描写や空間表現が不気味で、怖さと可笑しさのバランスが絶妙です。
漫画『見える子ちゃん』は、アニメ化と映画化もされ、幽霊が見えることで巻き起こるドタバタとホラーの絶妙な組み合わせは、ホラー漫画初心者からも幅広い層で楽しめる内容となっています。

6位:サユリ
漫画『サユリ』は、押切蓮介の作風らしい日常に潜む恐怖を描きつつ、サユリという謎めいた少女を通して、人間の業や欲望の恐ろしさを体験できる漫画となっています。
=あらすじ=
ある一家が夢のマイホームとして新居に引っ越すところから物語は始まる。しかし幸せな生活は長く続かず、家の中では不気味な物音や不可解な現象が頻発する———。徐々に家族はその原因が「サユリ」と呼ばれる少女の霊によるものだと知ることになる。
サユリはかつてその家に住んでいた少女で、凄惨な過去と怨念を抱えたままこの世に留まり、新たな住人たちを恐怖の渦に巻き込んでいく。家族の仲が次第に壊れていく中で、サユリの存在はますます強大になり、彼らを逃れられない恐怖に追い込んでいく…。
=漫画紹介=
漫画『サユリ』は、舞台は「どこにでもあるような一軒家」であり、読者が親近感を抱きやすい生活空間で恐怖が描かれることで、身近な恐ろしさに。サユリという存在は、単なる幽霊としての恐怖だけでなく、家族の心の隙間や不安を増し、人間の弱さや関係性の脆さを浮き彫りにします。
押切蓮介の画風は一見コミカルで親しみやすいが、そこに突如として描かれる不気味なサユリの表情や怪異は、強烈なインパクトを与えます。
短編エピソードごとに緊張感が変化し、読者は次に何が起こるか予想できないハラハラ感を味わえます。また、物語は単なる怪談にとどまらず、家族の絆や人間ドラマとしての側面も持っており、ただの恐怖体験以上の読みごたえがあります。
漫画『サユリ』は、従来のホラー漫画ファンはもちろん、押切蓮介作品に親しんでいる人や、日常と非日常のギャップから生まれる恐怖を楽しみたい人にもおすすめできる漫画です。

7位:彼岸島
漫画『彼岸島』は、血と恐怖、絶望と希望が交錯する独特の世界観を持ち、読者を引き込む圧倒的なホラー漫画。
=あらすじ=
吸血鬼に支配された孤島・彼岸島を舞台に、高校生・宮本明が兄を探すため島へ渡るが、そして自らの生存をかけて戦いが始まる———。島には人間を捕食する吸血鬼が多数生息しており、感染すれば人間も吸血鬼に変貌するという絶望的状況が広がる…。
明は仲間と共に、次々と現れる吸血鬼や変異体に立ち向かいながら、島の謎を解き明かそうと奮闘する。恐怖と絶望に満ちた状況下で、仲間たちは死と裏切りに直面し、人間の弱さや生存本能が浮き彫りになる。島全体が逃れられない戦場となり、サバイバルの緊張感と恐怖を体験するこに…。
=漫画紹介=
漫画『彼岸島』は、長期連載の人気作で、吸血鬼や狂気に満ちた極限状況が魅力。グロテスクな描写と緊迫した心理描写が特徴で、読者を強烈に引き込まれます。アニメ化や映画化もされ、幅広い世代に支持される不動のホラー漫画。サバイバル要素が強く、ホラー初心者からマニアまで楽しめる作品です。
島全体が閉鎖空間であることにより、逃げ場のない恐怖と緊張感が持続し、吸血鬼や変異体の異形描写、島の荒涼とした風景、緊迫した戦闘シーンが精緻に描かれています。
特に、感染した仲間の変貌や島民の狂気的行動は、心理的恐怖を強烈に印象付ける。また、長期連載作品であることから、登場人物の成長や関係性の変化、島の秘密も見どころで、単なるホラー漫画を超えた読み応えがあります。
漫画『彼岸島』は、極限状況での恐怖と人間ドラマを同時に味わえるホラー漫画の代表作です。

8位:不安の種
漫画『不安の種』は、日常生活の中に潜む不可解で禍々しい怪異を描いた短編集ホラー漫画。
=あらすじ=
学校や職場、家庭などごく普通の場所で次々と異常現象に遭遇する———。突然目の前に現れる幽霊、奇妙な物音、説明のつかない出来事、そして予期せぬ死や惨劇…。何気ない日常が、少しずつ恐怖と不安に侵食される様子が描かれる。
怪異はしばしば人物の心理とリンクし、疑心暗鬼や恐怖心を増幅させるため、読者は単なる怪奇現象以上に、人間心理の脆さや混乱を目の当たりにすることになる。短編ごとに異なるテーマや恐怖パターンが展開されるため、常に新鮮な恐怖体験が味わえる。
平凡な日常が一瞬で崩れ去る恐怖や、誰も気づかない異変が次々と起きていく…。
=漫画紹介=
中山昌亮の漫画『不安の種』は、日常ホラーの代表作として高く評価される作品で、短編形式で読みやすく、現代社会に潜む不気味さを描かれています。派手なグロ描写は少ないが、心理的恐怖と不条理感で強い印象を残します。
特徴は、平凡な日常に突如として侵入する異常事象によって、読者の安心感を巧みに崩していく点にある。学校や家庭、通勤路といった身近なシチュエーションが恐怖の舞台となることで、「自分にも起こりうるかもしれない」という妄想が強調される。また、怪異現象の描写は直接的なグロテスクさよりも心理的恐怖に重きを置き、読者の想像力を刺激することで、恐怖の余韻が長く残ります。
漫画『不安の種』は、都市伝説や怪談好きにおすすめで、日常に潜む”怖さ”を体験できる新感覚ホラー集。ホラー初心者にも手に取りやすい漫画です。

9位:死役所
漫画『死役所』は、死後の世界を舞台にした独自のホラー漫画。死者の視点から生と死、人間の心を描いた作品であり、感動と考察を同時に味わえる漫画です。
=あらすじ=
死後の世界にある「死役所」で、亡くなった人々が手続きを行う様子を描く。職員たちは冷静に対応するが、訪れる者たちの人生や最期の選択に触れることで、人間の業や生死の意味が浮き彫りになる。恐怖だけでなく、深い考察を読者に促す死生観ホラー。主人公・シ村は、死者が最期の手続きを行う「死役所」の職員として働いている。ここに訪れるのは、交通事故、病気、自殺、犯罪などさまざまな理由で命を失った人々———。
死者たちは自身の死の経緯や未練を語り、シ村や他の職員はそれを聞き取り、書類手続きを進める。
しかし、死者たちの物語はしばしば衝撃的で悲惨、時には背筋の凍るような出来事が含まれる。死後の世界を通じて描かれるのは、人間の罪や後悔、愛憎、社会問題など多層的なテーマであり、読者は死の恐怖だけでなく、生きることの重みや尊さも考えさせられる…。
=漫画紹介=
漫画『死役所』は、死後の世界という非日常を舞台に、人間の心理や社会の影を描いた作品。ホラー要素は、死者の抱える後悔や悲劇、社会的な問題が描かれることで、読者は人生や社会に対する考察に自然と引き出されます。
死者の表情や姿、手続きの様子、死後世界の陰影などが丁寧に描かれ、心理的恐怖と静かな緊張感が描かれています。
また、死者一人ひとりの物語が短編形式で展開されるため、様々な人間ドラマやホラー体験を連続して味わえます。生と死、正義と罪、希望と絶望の対比が描かれており、単なる怪奇漫画ではなく、社会問題や倫理観を考えさせる深みも。
漫画『死役所』は、死後の世界という非現実を通して生と死の重みを描きつつ、死後の世界を通じて、生きることの尊さや、人とのつながりの大切さを静かに問いかける、現代社会においても読み応えのあるヒューマンドラマです。

10位:ぼぎわんが、来る
漫画『ぼぎわんが、来る』は、現代日本を舞台にした怪異ホラー漫画。映画『来る』の原作を漫画化し、怨霊や祟りの恐怖の物語。
=あらすじ=
物語の中心は、奇怪な存在「ぼぎわん」が引き起こす不可解な怪事件。日常生活の中で次々と不可解な現象や怪異に遭遇し、徐々に恐怖と不安に支配されていく———。ぼぎわんの出現は、偶然ではなく、何かしらの因果や呪いと深く結びついており、その正体や目的は最後まで謎に包まれる———。登場人物たちは恐怖に立ち向かうが、怪異は容易に制御できず、心理的プレッシャーと肉体的危険が連鎖的に襲いかかる。人間の不安や恐怖心が増幅される状況も体感することになる…。
=漫画紹介=
澤村伊智の漫画『ぼぎわんが、来る』は、原作小説を漫画化した作品で、現代怪異ホラーの魅力を凝縮しています。ぼぎわんという存在は、目に見えない恐怖、理不尽な恐怖、そして人間の心理を揺さぶる不安の象徴として描かれていて、描写や演出によって恐怖の臨場感が描かれています。特に、都市部や日常の中に潜む怪異の描き方は、現実感と異常感のギャップ描かれており、心理的恐怖を最大化しています。
現代社会を舞台にしているため、読者が感情移入しやすく、じわじわと恐怖が襲ってくる。緊迫感ある描写と先の読めない展開が魅力の作品です。
漫画『ぼぎわんが、来る』は、怪異現象の恐怖と人間心理の脆弱性を融合させ、読者に長く記憶に残る不安と緊張を与える作品で、原作の小説と漫画の双方で楽しめる現代怪異ホラー漫画の傑作として、多くのホラーファンに支持されています。

11位:僕が死ぬだけの百物語
漫画『僕が死ぬだけの百物語』は、ホラーとサスペンスが融合した作品で、各話が独立した怪談でありながら、一つの大きな物語が進みます。
=あらすじ=
物語は、ユウマという小学5年生の少年が自殺未遂を起こすところから始まります。クラスメイトのヒナに命を救われたユウマは、彼女から「百物語」の話を聞く。百物語とは、100話の怪談を語り終えると本物の幽霊が現れるという日本の伝統的な遊び。
ユウマは母親と再会するため、毎晩ひとつずつ怪談を語り続けることを決意します。語られる怪談は、怨霊による霊障、異常者による犯行、強迫観念による自滅、新種の生物による被害など、多岐にわたる———。物語が進むにつれて、ユウマの家庭環境や心情が明らかになり、彼がなぜ百物語を始めたのか、その真意が浮かび上がる…。
=漫画紹介=
漫画『僕が死ぬだけの百物語』は、的野アンジによるホラー・オムニバス漫画で、2020年12月から2025年3月まで『サンデーうぇぶり』に連載されました。
ユウマが語る怪談は、単なる恐怖だけでなく、人間の心の闇や社会問題を鋭く描いており、読者に深い印象を与えます。また、物語の進行に合わせて、ユウマの成長や変化が描かれ、彼の内面に迫る描写が魅力です。
全体として、ホラー好きはもちろん、ショートのホラー漫画を楽しみたい読者にもおすすめの漫画です。100話の怪談が語り終えられ、全ての謎が解き明かされる衝撃の最終巻として、2025年5月12日に発売されました。

12位:ミスミソウ
漫画『ミスミソウ』は、雪に閉ざされた白銀の世界で描かれるのは、純粋さを失いながらも生きようとする少女の狂気と哀しみの物語です。
=あらすじ=
主人公・野咲春花(のざき はるか)は、東京から雪深い田舎町に転校してきた中学生。都会から来たことへの嫉妬から、クラスメイトたちから壮絶ないじめを受けるように———。唯一の支えは、同じく孤立していた男子生徒・相場晄(あいば みつる)と心を通わせること。しかし、いじめは次第にエスカレートし、ある日、春花の自宅がクラスメイトによって放火され、最愛の両親が命を落としてしまう。
家族を奪われ、心に深い傷を負った春花の中で、復讐の炎が燃え上がっていく。そこから、春花は自分を追い込んだクラスメイトたちに一人ずつ向き合い、血で血を洗う復讐劇が始まる…。
=漫画紹介=
漫画『ミスミソウ』は、「いじめ」と「復讐」を極限まで描き出した衝撃作で、物語は単なる復讐劇にとどまらず、人間の弱さや集団心理の恐ろしさをえぐり出します。クラスメイトによる理不尽で陰惨ないじめ、教師や大人の無関心、そして極限状態に追い込まれた少女の変貌———現実にも起こりうる題材をリアルに描きつつ、雪景色という静謐で美しい舞台との対比が一層の残酷さを際立たせています。
また、押切蓮介らしい独特のタッチは、残酷さと同時にどこか儚さを感じさせ、読む者の心に強烈な印象を残します。春花が復讐に身を投じていく過程で描かれる葛藤や後悔は、単なるスプラッターホラーではなく、人間ドラマとしての深みを与えています。
漫画『ミスミソウ』は、小説化と映画化もされ、原作の衝撃展開を再現したことで再注目されました。読む人を選ぶほど重く痛ましい物語ですが、その迫力と完成度はホラー・サスペンス漫画の中でもトップクラスに位置づけられる名作漫画です。

13位:怪談イズデッド
漫画『怪談イズデッド』は、ホラーとギャグを融合させた異色のオムニバス作品だ。本作に登場するのは「学校の七不思議」と呼ばれてきた怪談キャラクターたち。
=あらすじ=
市立菊原小学校の夜。使われなくなった会議室で、ひそかに開かれている集会がある。そこに集まるのは、かつて子どもたちを震え上がらせた“学校の怪談”たち──「テケテケ」「トイレの花子さん」「プールの幽霊」「人体模型」「ガイコツ模型」「ヒキコさん」、そして「二宮金次郎像」。彼らはかつての栄光を失い、今やすっかり影が薄くなってしまった存在たち。怪談は語られてこそ生き続けられるもの。だが、時代は変わり、心霊番組や怪談話は下火となり、像や模型は学校から撤去され、彼らは存在意義を脅かされていた。忘れ去られた怪談はやがて“消滅”してしまう──そんな危機感を抱え、彼らはどうすれば現代を生き延びられるのかを真剣に語り合う———。
会議の議題はいつも必死で滑稽。「どうやったらまた子どもに怖がられるのか?」「現代に合わせて姿を変えるべきか?」「SNSでバズれば生き残れるのか?」。奇妙でコミカルなやり取りの中には、恐怖の象徴としてのプライドや、生きたいと願う切実さがにじむ。これは、時代に取り残された怪談たちが必死にあがく、新感覚のサバイバルギャグストーリーである…。
=漫画紹介=
漫画『怪談イズデッド』は、「怪談」そのものを題材にした異色のホラー漫画です。従来の怪談が持つ“恐怖を語り継ぐ文化”を逆手に取り、「もし怪談が生きていて、死んでしまったらどうなるのか?」というユニークな発想から物語が展開されます。
この作品の面白さは、ただのホラーにとどまらず、怪談を擬人化し、キャラクターとして描き出している点です。読者がよく知る都市伝説や学校の怪談が、人間味のある姿や性格を持って登場し、彼らの「生と死」をめぐる騒動がコミカルかつ不気味に描かれます。
また、作品全体には不気味さとユーモアが絶妙に同居しており、「怖いけれど笑える」「奇妙だけど惹かれる」という独特の読後感が味わえます。
ホラー好きはもちろん、皮肉を込めたギャグに興味のある人にこそ刺さる、他に類を見ないサバイバルギャグ漫画です。

14位:N
漫画『N』は、意味深な「N」の文字が刻まれた連続事件を描くミステリアスなオムニバス形式の物語。『N』は、都市伝説と宗教団体「N」にまつわる怪異を描いたホラー漫画で、くるむあくむ原作、にことがめ作画による作品です。
=あらすじ=
男子中学生5名の失踪、小学校の授業参観日に起きたクラス全員惨殺事件、そして自動車暴走による2名死亡事故といった猟奇的な事件が立て続けに発生。そのすべての現場に「N」と記された痕跡が残されており、2000年前に崩壊したはずの宗教団体「N」が都市伝説として囁かれている———。
人々は不可解なその文字に恐怖し、謎を追い求める者も現れますが、それはさらに深い不気味な世界への入り口に過ぎない…。物語が進むにつれ、個別の事件が相互に関連し始め、全体として大きな構図へと収束していく。そして、「N」とはいったい何なのか──。
=漫画紹介=
この作品は、都市伝説や宗教的要素を取り入れた新感覚のホラー漫画として、多くの読者に衝撃を与えています。
『N』は単なるホラー漫画ではなく、「日常」と「異界」が紙一重でつながる感覚を描き出す作品です。レビューでも「独立した各話がゆるやかにつながり、背後に“何か”がある不穏さが最高」という感想が寄せられています。
「N」の存在が日常へとじわじわ侵食する様が鮮やかに描かれます。祠、原稿用紙、水槽、液晶画面、窓枠、浴槽など、一見何の変哲もない対象が怪異と接触する“境界”となり、それが静かな恐怖を生み出します。
レビューには、「ホラー耐性ない人は背筋がゾッとする」といった強い恐怖体験の声や、「日常がじわじわ侵されていく感覚が最高に気持ち悪い」という感想も多く寄せられています。
「Nとは何か?」という問いを通して、自らの中にある不安や理解できない領域と向き合うことになるでしょう。その曖昧で解きがたい恐怖が、本作の大きな魅力です。

15位:悪の教典
漫画『悪の教典』は、原作小説はベストセラー、漫画版はその恐怖を鮮烈にビジュアル化。人間の狂気を真正面から描いたサスペンスホラーで、心理的にも肉体的にも追い詰められる一作。
=あらすじ=
高校教師・蓮実聖司(はすみ せいじ)は、生徒や保護者から絶大な人気を誇る英語教師。爽やかな容姿に気配り上手な性格、生徒の悩みにも親身に応える“理想の教師”として学校に欠かせない存在だった。しかし、その完璧な仮面の裏には恐るべき本性が隠されていた。
蓮実は、生まれながらに「共感性」を欠いたサイコパスであり、自らの利益や快楽のためには平然と人を騙し、排除する冷酷な人格を持っていたのだ。日常的には同僚や生徒のトラブルを陰で操作し、自らの地位を揺るがす者は事故や事件に見せかけて葬り去る…。
やがて学校内での小さな綻びから、その本性に気づく生徒が現れ、蓮実の完璧な仮面に亀裂が入っていく。そして文化祭の前夜、彼はついに大規模な「排除計画」を実行することを決意。夜の校舎を舞台に、無垢な生徒たちが次々と犠牲となっていく惨劇が始まる。明るく頼れる教師の顔と、冷酷無比な殺人鬼の顔。その落差こそが最大の恐怖であり、人間の心の奥底に潜む闇を浮き彫りにしていく──。
=漫画紹介=
『悪の教典』は、貴志祐介による同名小説を原作に、ホラー漫画の巨匠・伊藤潤二が作画を担当した作品です。原作小説は直木賞候補にもなった話題作で、伊藤潤二版ではその狂気と恐怖を独特の画力でビジュアル化しています。
主人公の蓮実聖司は一見理想的な教師として描かれるものの、その内面は生粋のサイコパス。彼が繰り広げる日常的な人間操作の悪賢さや、突如露わになる残虐性は、伊藤潤二の緻密で不気味さよってさらに強調されています。
また、伊藤潤二らしい歪んだ表情や異様に緊張感のある構図が、蓮実の異常性をより際立たせています。小説版の緻密な心理描写を大胆にビジュアル化したことで、原作ファンからも高い評価を得ており、サスペンス・ホラー漫画としての完成度は非常に高いと言えます。
漫画『悪の教典』は、さらに本作は、2012年に三池崇史監督、伊藤英明主演で実写映画化されたことでも注目を集めました。教育現場を舞台に繰り広げられる極限の恐怖劇は、単なるエンタメを超えて”人間の本質とは何か”を問う重厚なテーマを持つ作品です。
